「だから、イギリスが、EUを抜けるんだって」
「それが、どうして、このフライドチキン
を食べてんのよ」
「だってイギリス大変じゃん」
「イギリスより、受験が大変よ」
「そうだな」
雨がシトシト降っている。
「あたし、むかつくから、チョコレート
買ってくる」と階段を降りていった。
「なんで、オレは政治がきになるんだろう。
みんな世襲か、東大の法科ばっかりの
集団なのに。」
傘が色とりどりに流れていく。男の子の
青い長靴がかわいい。
「買ってきたわよ」と椅子にかける。
「もっと楽しいことしましょうよ、せっかく
いるのに」
「そうだな、タワー行くか」
「東京タワー!。いいわね。私行ってもいいわよ」
「高いところに行きたいよな、のんびりしたい」
「ちょっと待って」と彼女はかばんから
VRゴーグルを取り出した。頭にはめる。
「なにがみえるんだ」と僕が聞くと、
「googlemapで、駅降りてからのタワー
までをみるのよ。楽しいわよ。便利だし」
そっか。僕のは部屋にある。
「いいみたい。東京タワーからVR見てみたい。
いろいろアプリあるから」
「そりゃいいなあ。オレも持ってくわ」
机の上にあった、糖質0のドリンクを
ゴクリ。と飲んだ。