「よう、元気?」
僕は話しかけた。
「ちょうど飯をくうところだよ」
「じゃあ、一緒にくおう」
二人は、大学の食堂で互いに座った。
「都知事やめちゃったね」
「まあ、しかたないな、税金あんなに使っちゃ」
「おれさ、最近政治家がみんな汚く見えてさ」
「昔から、便宜を図る輩が政治家に寄ってきたしな」
僕はカレーライスをぱくっと食べる。
友人はさらにいう。
「政治家って、金、金ばっかりだよな、いつも」
僕は言う。
「政治家調べるときにさ、金の流れ調べれば
いつもボロがでるよな」
「週刊誌は困らないね」
僕はカレーを半分食べた。
「でもさ、年配になっても、金にしがみつく
のは、見苦しいよな」
彼は言う。
「年配ってさ、老後が不安なんだよ。墓代まで
かかるから」
僕はカレーのスプーンを止めた。
「でも、政治家は民衆の支持で選ばれて
いるんだから、清潔でないと」
「いつそうなるんだろうな」
彼は問いた。
「100年後」
僕は笑った。
「むりむり、1000年後だよ」
彼もニヤついている。
「やだやだ、政治家にはなりたくないね」
「公務員にはなりたいくせにな」
「はは、そりゃそうだな」
僕はカレーをきれいに食べて席をたった。
「またな」
「おう」
僕は歩きながらつぶやいた。
「厳正な法さえあれば」